ロンドン在住。Gem-Aで学んだ後、2001年にFGAとDGAを取得。宝石とジュエリーの歴史や伝説が大好きです。お気に入りの宝石は、深いネオンブルーをしたアウイナイトです。
宝石やダイヤモンドの買取価格は、買取店によって大きく変わるのをご存知でしょうか。ある調査では同じ宝石で20倍以上もの査定額の差が出たことが報告されています。
※参考資料:
価格差23倍も 宝石の買い取り価格はこんなに違う/日本経済新聞
では、宝石買取の相場は、どのように決まるのでしょうか。買取店によって価格差が出る理由とは?
こちらでは、宝石やダイヤモンドの買取価格の出し方から価格差が出る理由までをご説明していきます。
これから宝石を売りたい方や、少しでも高く買取って欲しいとお考えの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ダイヤモンドの買取価格とは
ダイヤモンドを買取してもらう際には、鑑定書が付属していると査定がスムーズに行われます。なぜでしょうか?
ダイヤモンドの鑑定書には、購入時のグレード(4C)が記載されています。
鑑定書を付けることで、買取店がそのダイヤモンドの価値を素早く把握でき、より正確な査定額を出すことができるからです。
ただし、長期で使用している間に衝撃を与えてヒビや欠けが入っていることもあり、この場合はグレードに影響が出ます。
鑑定書が無い場合は、買取店でそのダイヤモンドのグレードを確認することになり、ダイヤモンドのカットから内包物、色、サイズなどの4Cを正確に確認して、その日の相場に合った査定額を出すのが一般的です。
また、ラウンドブリリアントカット以外のファンシーカットや、イエローやブラウン、ピンクなど、無色以外のファンシーカラーには鑑定書は付かないので、こちらも買取店がグレードを確認して査定額を出します。
色石(カラーストーン)の買取価格とは
色石(カラーストーン)の場合も、本物であることを証明できる鑑別書が付属しているのがベストです。どのような宝石であるかがすぐ分かるので、確実に査定してもらえます。
しかし色石にはダイヤモンドの4Cのようなグレード基準はありません。
鑑別書には宝石の名前やサイズ、特質が記載されるだけです。
基本的には買取店がサイズ、色の美しさ、内包物の有無、カットバランスなどを確認して価格を判断します。
特に色石は色を美しくするために人工処理が施されることが多く、無処理の天然石よりは価値が下がってしまいます。
また産地によって価値がグンと高くなる色石もあります。
鑑別書は本物か合成石かや、人工処理の有無を区別するための証明書として必要ではありますが、鑑別書が無くても、色石にどれほどの価値があるかを見極めるスキルが買取店には必要となるのです。
貴金属買取の相場
宝石をルースで売却する場合は、宝石そのものだけの価格になります。
しかし、ジュエリーに加工されている場合には、プラチナや金などの価格がプラスされなければなりません。
貴金属の相場も毎日変動しますので、査定した日の相場に合った価格を提示するのが普通です。
優良な買取店では、目の前でジュエリーの重量を測定して、何グラムであるかをはっきりと提示してくれるはずです。
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ブランドジュエリー買取の相場
Photo by : AlesiaKan / Shutterstock.com
宝石の付いたジュエリーが高級ブランド製であれば、ブランドの付加価値も付きます。
いわゆる世界の高級ブランド店のジュエリーは上質な宝石を使用しており、デザインや加工技術のクオリティも一流です。
王室やセレブが愛用していることで有名なブランドも多いですよね。
入手しにくい限定アイテムやヴィンテージなど、レアなものであればその分価値も高くなります。
つまり、買取店にブランドの知識があるかないかで、ジュエリー全体の買取価格が大きく異なってくるのです。
宝石の買取価格に差が出るのはなぜ?
買取店の経験や資格
買取店に宝石鑑定士や鑑別士の資格を取得したスタッフがいると、宝石を正しく見極めて、正確な査定額を出してくれる可能性が高いです。
勿論、資格がなくても経験や実績が豊富であれば、宝石の価値や相場を正しく伝えてくれるお店もあるでしょう。
しかし反対に、宝石に関する知識が薄かったり、経験の浅い買取店では宝石の価値や相場を把握していないこともあり得ます。
中には、ダイヤモンドや貴金属の相場変動や、色石の市場相場について学んでいないスタッフが査定を担当している場合もあると聞きます。
その店独自の判断で査定額を出すため、結果的に他店と比較してとんでもないほどの安価が付くことも起こりうるというわけなのです。
ブランドの知識の有無
ブランドの知識に関しても同じです。
ブランドの名前はもちろん、アイテムのデザインや年代、人気度や買取相場についての知識がないと、ノンブランド同様の買取額になってしまうのです。
再販ルートの有無
買取店が強い再販ルートや再販店を持っていると、その宝石を再販できる確率が高いため、自信をもった査定がしやすく、買取額も高くなり易いと聞きます。
逆に再販ルートや再販店があまりない買取店では、いつ再販できるか分かりませんので、無難な査定額しか付けられず、結果安く買取られてしまう可能性が高くなるという訳です。
競合他社の有無
競合店の多い都心では、他店より少しでも高く買取るように努力している業者が多くなります。
周囲に競合店がない地方など、お客さんが他店と比較できなかったり、他店に取られる心配のない場合には、査定額が安くなる傾向にあるようです。
まとめ
宝石の買取相場に大きく差が出るのは、買取店の経験や知識、そして再販ルートや競合店の有無が影響していることが分かりました。
買取相場を知るのは、できるだけ多くの買取店を回ることです。
大変かもしれませんが、労力をかけた分、高く買い取ってもらえることを信じて頑張ってみるしかないのでしょうか。
カラッツ編集部 監修
ロンドン在住。Gem-Aで学んだ後、2001年にFGAとDGAを取得。宝石とジュエリーの歴史や伝説が大好きです。お気に入りの宝石は、深いネオンブルーをしたアウイナイトです。